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宮沢賢治学会イーハトーブセンター功労賞

宮沢賢治学会イーハトーブセンター功労賞が決定しました

2023年度の第8回宮沢賢治学会イーハトーブセンター功労賞が、下記のように決定しました。

宮沢賢治学会イーハトーブセンター功労賞

板垣 寛 様

 

 父の代に宮沢賢治から直接受けた農業指導を受け継いで、賢治の教えを現代に生かす農業実践を続けるとともに、石鳥谷地区における賢治の顕彰活動の中心となって、その精神の普及に長年取り組んできた業績に対して。

【選考理由】
 板垣寛氏は、花巻市石鳥谷地区で先祖代々農業に携わっているが、父の板垣亮一氏が宮沢賢治から数回にわたって直々に農業指導を受けた縁を引き継いで、賢治の教えに従った肥料の配分や植栽方法を今に伝える農場を運営し、現在も毎年陸羽一三二号の栽培を続けている。
 また、1994 年の葛丸ダムにおける「葛丸」歌碑の建立や、2006 年の「道の駅 石鳥谷」における「三月」詩碑の建立に際しては中心となって活動し、石鳥谷農業伝承館の設立や石鳥谷肥料相談所跡の説明板設置にも尽力した。
 以上のような、賢治の精神を伝える農業実践や、長年にわたる賢治の顕彰活動は、宮沢賢治学会イーハトーブセンター功労賞を贈呈するにふさわしい。

贈呈式について

 賞贈呈式は、令和6年9月22日(日)午後に、花巻市定住交流センター(なはんプラザCOMSホール)で開催します。

 贈呈式の詳細については、後日、改めてお知らせいたします。

宮沢賢治学会イーハトーブセンター功労賞について

宮沢賢治学会イーハトーブセンター功労賞の過去の受賞者

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宮沢賢治学会イーハトーブセンター功労賞

【会員向け】第9回宮沢賢治学会イーハトーブセンター功労賞 推薦のお願い

会員各位

宮沢賢治学会イーハトーブセンター
代表理事 大沢 正善
賞選考委員長 浜垣 誠司

 宮沢賢治学会イーハトーブセンターでは、2024年度「第9回宮沢賢治学会イーハトーブセンター功労賞」の候補者の推薦を、ページ下部のボタンから表示される専用フォームにて、会員の皆様から受け付けております。
 推薦の締め切りは、2024年4月30日です。

 2016年度に創設された「宮沢賢治学会イーハトーブセンター功労賞」は、花巻市が主催する「宮沢賢治賞・イーハトーブ賞」とは別に、当センターが独自に設けた賞です。宮沢賢治とその作品に触発された研究活動ならびに普及において、多年にわたる功績のある個人または団体を、広く対象としています。
 ご推薦いただいた全ての候補者は、当センターの賞選考委員会において、厳正な審査の対象とさせていただきます。

 本年も、会員の皆様からの幅広いご推薦を、お願い申し上げます。

【主催者】 宮沢賢治学会イーハトーブセンター
【選考】 宮沢賢治学会イーハトーブセンター賞選考委員会
【選考方法】 会員から推薦された個人・団体を、選考委員会にて選考し、理事会が決定する。
【選考対象 および基準】 宮沢賢治の人と作品や精神の普及または研究の推進に寄与する活動(花巻市が主催するイーハトーブ賞の基準となる実践的な活動を除く)を行っている個人または愛好団体・研究団体等の団体。
【表彰式】 定期大会において、代表理事が賞状および副賞を授与する。
推薦用件
推薦方法

 下のボタンを押すと表示される専用フォームに入力していただくか、当センターから会員のお手元に郵送される「推薦票」に記入して返送して下さい。

宮沢賢治学会イーハトーブセンター功労賞 推薦フォーム

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宮沢賢治学会イーハトーブセンター功労賞

宮沢賢治学会イーハトーブセンター功労賞が決定しました

2023年度の第8回宮沢賢治学会イーハトーブセンター功労賞が、下記のように決定しました。

宮沢賢治学会イーハトーブセンター功労賞

栃木・宮沢賢治の会 様

1997年の創立以来、毎月例会として賢治作品の読書会等を行って通信を発行し、また毎年一般向けの交流会を開催して広く賢治に親しめる場を提供するなど、長年にわたり宮沢賢治の研究および普及活動を続けてきた功績に対して。

【選考理由】
 「栃木・宮沢賢治の会」は、1997年5月に創立され、会員は現在40名余りである。毎月1回の「例会」では、『ちくま文庫版宮沢賢治全集』をテキストに、輪読や群読の形式も取り入れつつ、賢治の詩と童話を読み継いできた。時には「特別例会」として、県内各地の会場で講演会等も開催している。各例会の内容と会員の原稿を掲載した「通信」は、当初は「賢治さんのトランクからの手紙」、後に「ぎんどろ」と題され、本年300号に達した。
 また、年に1回の「交流会」として、一般市民に賢治の作品や生き方に親しんでもらうための講演会も行っており、2021年には「100年流れる 宮沢賢治の豊かな世界」展を開催し、それまでの会の活動を紹介するとともに、宮沢賢治の作品や、栃木県とのかかわりなどについて展示を行った。
 近年は、栃木県出身で賢治の主治医だった佐藤隆房医師や、盛岡高等農林学校で賢治らとともに『アザリア』を刊行した同級生小菅健吉氏を紹介する活動も積極的に行い、2017年には当センターと共催で、宮沢賢治地方セミナーin宇都宮「宮沢賢治と栃木」の企画運営を行った。本年1月には、『創立25周年記念 栃木・宮沢賢治の会の歩み』を刊行して、会の詳細な活動記録と、会員によるエッセイを収録している。
 以上のような、宮沢賢治に関する長年の精力的な研究活動と普及活動は、功労賞にふさわしい。

米澤ポランの廣場 様

1990年の創立以来、毎月担当制で賢治作品の読書会を行って通信を発行し、数年ごとに研究成果を記念誌にまとめ、一般向けにも賢治にちなんだ創作アート展を開催するなど、30年以上にわたって宮沢賢治に関する研究と発信を続けてきた功績に対して。

【選考理由】
 「米澤ポランの廣場」は、1990年6月に創立され、会員は現在10名余りである。毎月開催する賢治作品の読書会を「廣場」と位置づけ、担当制で詩や童話を読んで、自由な討論を重ねている。これまでに繰り返し取り上げて、議論を深めている作品も数多い。毎月の「廣場」の内容を報告する「通信」は、まもなく400号に到達する。
 また数年ごとに、記念の小論集『米澤ポランの廣場』Ⅰ~Ⅷを発行しており、その内容は各会員による研究エッセイ的小論、通信のバックナンバー、廣場の記録、読書会で取り上げた作品一覧、会員の合同句集、会員プロフィール、廣場スナップ等で構成され、会員間の緊密な繋がりがうかがわれる。
 2006年には、「色、形、音、光…展●宮澤賢治へのオマージュ」と題して、会員による宮沢賢治にちなんだアート作品展を開催して、会員と一般来場者の交流を行っており、これは全国の賢治関連団体の中でも、ユニークな活動である。
 以上のように、宮沢賢治の作品や人間性に触発された地道な活動を多年にわたって積み重ね、その成果を独自の創作活動で発信してきた功績は、功労賞にふさわしい。

贈呈式について

 賞贈呈式は、令和5年9月22日(金曜)午後に、花巻市定住交流センター(なはんプラザCOMSホール)で開催します。

 贈呈式の詳細については、後日、改めてお知らせいたします。

宮沢賢治学会イーハトーブセンター功労賞について

宮沢賢治学会イーハトーブセンター功労賞の過去の受賞者

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宮沢賢治学会イーハトーブセンター功労賞

【会員向け】第8回宮沢賢治学会イーハトーブセンター功労賞 推薦のお願い【受付終了】

会員各位

宮沢賢治学会イーハトーブセンター
代表理事 大沢 正善
賞選考委員長 浜垣 誠司

 宮沢賢治学会イーハトーブセンターでは、2023年度「第8回宮沢賢治学会イーハトーブセンター功労賞」の候補者の推薦を、ページ下部のボタンから表示される専用フォームにて、会員の皆様から受け付けております。
 推薦の締め切りは、2023年4月30日です。

 2016年度に創設された「宮沢賢治学会イーハトーブセンター功労賞」は、花巻市が主催する「宮沢賢治賞・イーハトーブ賞」とは別に、当センターが独自に設けた賞です。宮沢賢治とその作品に触発された研究活動ならびに普及において、多年にわたる功績のある個人または団体を、広く対象としています。
 ご推薦いただいた全ての候補者は、当センターの賞選考委員会において、厳正な審査の対象とさせていただきます。

 本年も、会員の皆様からの幅広いご推薦を、お願い申し上げます。

【主催者】 宮沢賢治学会イーハトーブセンター
【選考】 宮沢賢治学会イーハトーブセンター賞選考委員会
【選考方法】 会員から推薦された個人・団体を、選考委員会にて選考し、理事会が決定する。
【選考対象 および基準】 宮沢賢治の人と作品や精神の普及または研究の推進に寄与する活動(花巻市が主催するイーハトーブ賞の基準となる実践的な活動を除く)を行っている個人または愛好団体・研究団体等の団体。
【表彰式】 定期大会において、代表理事が賞状および副賞を授与する。
推薦用件
推薦方法

 下のボタンを押すと表示される専用フォームに入力していただくか、当センターから会員のお手元に郵送される「推薦票」に記入して返送して下さい。

宮沢賢治学会イーハトーブセンター功労賞 推薦フォーム

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総会 宮沢賢治学会イーハトーブセンター功労賞 宮沢賢治研究発表会 宮沢賢治賞・イーハトーブ賞

第33回定期大会のお知らせ

 

 来たる9月22日・23日に、宮沢賢治学会イーハトーブセンター定期大会を、下記の日程で開催いたします。対面形式での開催は、3年ぶりとなります。
 会員以外の方も参加できますので、どうぞお誘い合わせの上、お越し下さい。

 なお、新型コロナウイルスの流行状況によっては、花巻市関連施設の使用ガイドラインにより入場制限を行う場合がございますので、ご了承下さい。

9月22日(水)

会場:花巻市定住交流センター(なはんプラザ)
10:00~12:00 第32回宮沢賢治賞・イーハトーブ賞贈呈式

主催/花巻市
賞選考経過報告、賞贈呈、主催者あいさつ、受賞者あいさつ、記念講演 等

13:30~14:30 宮沢賢治学会イーハトーブセンター定期総会

議事:
 ① 2021年度事業報告及び収支決算の承認について
 ② 2022年度事業計画及び収支予算の決定について
 ③ 役員の承認について

14:45~15:45 リレー講演

1人20~30分で2名の方の講演を予定しております。講演のタイトルについては、当日に配布するプログラムでお知らせいたします。

  • 古川日出男(第32回宮沢賢治賞奨励賞)
  • アザリア奇譚部(第32回イーハトーブ賞奨励賞) 
15:45~16:15 第7回宮沢賢治学会イーハトーブセンター功労賞贈呈式

贈呈式を開催し、賞の趣旨説明と贈呈を行います。引き続き受賞者から挨拶や成果の発表などをしていただく予定です。

16:30~17:00 イーハトーブ・サロン

参加者が一人5分間で、「私と賢治」というテーマでそれぞれの思いを気軽に述べ合うコーナー。「宣伝」や「行事案内」だけの内容のものはご遠慮いただいておりますので、あらかじめご了解願います。
発表者への記念品を用意いたしますので、どうぞ皆様ふるってご参加下さい。
参加申し込みは、当日の会場で受け付けます。

参加者交流・懇親会は、新型コロナウイルス感染症対策のため、残念ながら中止とさせていただきます。

9月23日(金・祝)

会場:宮沢賢治イーハトーブ館ホール
10:00~12:30 宮沢賢治研究発表会
宿泊のご案内

花巻観光案内所・観光センターをご利用下さい。市内のすべての宿泊施設をご案内いたします。

  • 花巻観光案内所(花巻駅前):電話/FAX 0198-24-1931
  • 花巻観光センター(新花巻駅舎内):電話/FAX 0198-31-2244
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宮沢賢治学会イーハトーブセンター功労賞

宮沢賢治学会イーハトーブセンター功労賞が決定しました

宮沢賢治学会イーハトーブセンター功労賞

若尾 紀夫 様

宮沢賢治の盛岡高等農林学校時代の教員の研究テーマや賢治との交流を調査し、同窓生の証言を集め、2006年から同窓会「北水会」会報に連載し、「北水会」発足百周年の21年に『同窓生が語る宮澤賢治』に集成した功績に対して。

【選考理由】
 若尾紀夫氏は、宮沢賢治の盛岡高等農林学校時代の教員の研究テーマや賢治との交流を調査し、同窓生の証言を集め、2006年から同窓会「北水会」会報に連載し、同窓会発足百周年の21年に『同窓生が語る宮澤賢治 盛岡高等農林学校と宮澤賢治 120年のタイムスリップ』に集成した。多くの教員の事績や卒業生間の交流を広く紹介する他に、開校の経緯を押さえ、当時の施設や教材の写真を充実させている。賢治にとどまらず盛岡高等農林学校の歴史的意義を整理した功績はイーハトーブセンター功労賞にふさわしい。

贈呈式について

 賞贈呈式は、令和4年9月22日(木曜)午前10時より、花巻市定住交流センター(なはんプラザCOMSホール)で開催します。

 贈呈式の詳細については、後日、改めてお知らせいたします。

宮沢賢治学会イーハトーブセンター功労賞について

宮沢賢治学会イーハトーブセンター功労賞の過去の受賞者

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宮沢賢治学会イーハトーブセンター功労賞

【会員向け】第7回宮沢賢治学会イーハトーブセンター功労賞 推薦のお願い

会員各位

宮沢賢治学会イーハトーブセンター
代表理事 岡村 民夫
賞選考委員長 大沢 正善

 宮沢賢治学会イーハトーブセンターでは、2022年度「第7回宮沢賢治学会イーハトーブセンター功労賞」の候補者の推薦を、ページ下部のボタンから表示される専用フォームにて、会員の皆様から受け付けております。
 推薦の締め切りは、2022年4月30日です。

 2016年度に創設された「宮沢賢治学会イーハトーブセンター功労賞」は、花巻市が主催する「宮沢賢治賞・イーハトーブ賞」とは別に、当センターが独自に設けた賞です。宮沢賢治とその作品に触発された研究活動ならびに普及において、多年にわたる功績のある個人または団体を、広く対象としています。
 ご推薦いただいた全ての候補者は、当センターの賞選考委員会において、厳正な審査の対象とさせていただきます。

 本年も、会員の皆様からの幅広いご推薦を、お願い申し上げます。

【主催者】 宮沢賢治学会イーハトーブセンター
【選考】 宮沢賢治学会イーハトーブセンター賞選考委員会
【選考方法】 会員から推薦された個人・団体を、選考委員会にて選考し、理事会が決定する。
【選考対象 および基準】 宮沢賢治の人と作品や精神の普及または研究の推進に寄与する活動(花巻市が主催するイーハトーブ賞の基準となる実践的な活動を除く)を行っている個人または愛好団体・研究団体等の団体。
【表彰式】 定期大会において、代表理事が賞状および副賞を授与する。
推薦用件
推薦方法

 下のボタンを押すと表示される専用フォームに入力していただくか、当センターから会員のお手元に郵送される「推薦票」に記入して返送して下さい。

宮沢賢治学会イーハトーブセンター功労賞 推薦フォーム

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宮沢賢治学会イーハトーブセンター功労賞

宮沢賢治学会イーハトーブセンター功労賞の贈呈式が行われました

 

 2021年11月21日に、花巻市の「花巻温泉ホテル紅葉館」において、第6回宮沢賢治学会イーハトーブセンター功労賞の贈呈式が、行われました。
 本年の受賞者は、宮城県仙台市在住の佐々木孝夫さんです。

 例年は本贈呈式は、宮沢賢治学会イーハトーブセンター通常総会と同じ9月22日に行われますが、昨年に続いて本年も、新型コロナウイルス感染予防のため、参加人数を制限した形で開催されました。

宮沢賢治学会イーハトーブセンター功労賞贈呈式 次第

1.開式

2.選考経過報告

宮沢賢治学会イーハトーブセンター賞選考委員長 大沢 正善

3.賞贈呈

4.受賞者あいさつ・活動内容紹介

5.閉式

選考理由

 佐々木孝夫氏は、仙台市で2006年からジャズバーを経営しながらSPレコードを収集してきた。2018年に店は閉じたが、2017年から2019年まで、賢治に関わるSPレコードの復刻録音を収録したCD5枚72曲を制作し、「セロ弾きのゴーシュ」中の「愉快な馬車屋」のモデルとみられる楽曲も発掘した。2021年3月には賢治が作詞あるいは作曲した歌や、「ポランの広場」に登場する楽曲を地元のミュージシャンが演奏・歌唱したCDを加えた。2019年1月からブログも始め、賢治に関わる音楽情報を発信している。
 賢治が愛好した楽曲を発掘しながら紹介してきた活動は宮沢賢治学会イーハトーブセンター功労賞にふさわしい。

佐々木孝夫さんの業績
  • 「 SP レコードの復刻録音で聴く CD 宮沢賢治と音楽」シリーズ 5 枚製作。
    • 「ジャズ 夏のはなしです~宮沢賢治が出会った洋楽はやり歌・ジャズ~(2017 年)
    • 「心象スケッチ『春と修羅』~宮沢賢治が聴いたクラシック~」(2018 年)
    • 「賢治が出合ったクラシック・あらかると」(2018 年)
    • 「宮沢賢治・追想に基づくクラシック Samādhi サマディ」( 2019 年)
    • 「宮沢賢治・東京日和」(2019 年)
  • CD 「宮沢賢治 ソングブック」(2021 年)
  • 「 SP レコードで聴く宮沢賢治と音楽」第1~3回 東京・神田神保町「ブックハウスカフェ」にて開催。
  • 音楽レーベル「 Paradise Valley Private Records 」主宰。古いジャズをテーマにした CD を6枚製作。 SP 盤の貴重なジャズ音源を集めた「いづみや宝物館・蔵出し」シリーズ全 10 枚を製作。
  • 「東日本大震災」後の楽器支援活動。気仙沼ジュニアジャズオーケストラ等にニューオリンズより楽器支援、ニューオリンズとの交流事業を行う。
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宮沢賢治学会イーハトーブセンター功労賞 宮沢賢治賞・イーハトーブ賞

宮沢賢治賞・イーハトーブ賞、宮沢賢治学会イーハトーブセンター功労賞が、決定しました

 2021年度の第31回宮沢賢治賞・イーハトーブ賞と、第6回宮沢賢治学会イーハトーブセンター功労賞の受賞者が、次のように決定しました。
 賞の贈呈方法については、後日あらためてお知らせします。

宮沢賢治賞

信時 哲郎 氏

宮沢賢治の最晩年の「文語詩稿 一百篇」を一篇ごとに博捜を尽くした調査と偏りのない見地から評釈し、その成立事情を「文語詩稿 五十篇」との関係において推論した、『宮沢賢治「文語詩稿 一百篇」評釈』に対して。

【選考理由】
 本賞の信時哲郎氏は、日本近代文学の研究者で甲南女子大学教授。2010年に『宮沢賢治「文語詩稿 五十篇」評釈』を刊行し、翌年、宮沢賢治賞奨励賞を受賞した。2019年に2月に『宮沢賢治「文語詩稿 一百篇」評釈』を刊行し、今回の選考対象となった。前著と同様、「一百篇」の一篇ごとに語註・評釈・先行研究を記載し、そのいずれも博捜を尽くし、自説を押し付けることなく柔軟に評釈されている。巻末の終章では、それぞれの表紙に記された日付(一週間の間隔がある)から、これまで漠然と「五十篇」が定稿化された後に「一百篇」の定稿化が進められたと考えられてきたが、両「篇」中のいくつかに「対」の意識が見られることなどから、同時並行的に進められた可能性を指摘し、今後の研究に貴重な一石を投じた。本著は前著466頁をしのぐ766頁の大著であり、奨励賞を励みに研鑽を積んだ約10年の成果は賢治賞にふさわしい。

宮沢賢治賞奨励賞

該当者なし

イーハトーブ賞

毛利 衛 氏

少年時から宮沢賢治に触発され、スペースシャトルに二度乗り込み、日本科学未来館初代館長に就任し深海や南極基地での科学実験に参加し、『わたしの宮沢賢治』で宇宙観と地球観を統合しようとした営為に対して。

【選考理由】
 本賞の毛利衛氏は、1992年と2000年の二度、スペースシャトル・エンデバー号に乗り込み宇宙実験を行った。その後、2000年に日本科学未来館の初代館長に就任、2003年に「しんかい6500」に乗り込み深海での科学実験に参加、2007年に南極昭和基地で開設五十周年事業に参加した。2011年に刊行した『宇宙から学ぶ』では、それらの体験から「ユニバソロジ」(universe+logy)を提唱していたが、2021年1月に刊行した『わたしの宮沢賢治』では、「イーハトーブ」に触発されて宇宙観と地球間を統合する「地球まほろば」の思想へと深めている。そこには、宇宙に憧れる科学少年が「風の又三郎」に感銘を受け、やがて留学中に愛読を深め、最初の宇宙飛行の際、「生徒諸君に寄せる」を書き込んだ手帳を持ち込みくり返し読んでいた、といった軌跡も記されている。2016年12月には賢治祭特別企画として花巻市で講演している。こうした営為や賢治に寄せる思いは、イーハトーブ賞にふさわしい。

イーハトーブ賞奨励賞

ものがたりグループ☆ポランの会

宮沢賢治の童話作品を原文に忠実に物語る公演を東京や岩手県内で精力的に続けYouTubeでも発信し、『春と修羅』全詩の朗読をCD6枚にまとめた活動に対して。

【選考理由】
 奨励賞のものがたりグループ☆ポランの会は、2004年以来、賢治の童話作品を、原文に忠実に「一人語り」を中心に物語る活動を続けてきた。東京を拠点にしながら公演の様子をYouTubeで配信し、ナレーション講座やスタジオ実習のワークショップも開催している。一方、岩手県内でも精力的に公演し、2017年からイーハトーブ館でポラン寄席を開催している。2016年からは詩作品の語りにも取り組み、2021年3月に『春と修羅』全詩の朗読をCD6枚にまとめた。効果音を控え、朗読の技術は高く安定している。解説冊子では朗読テクストの校訂にまで踏み込んでいる。賢治作品を多様な媒体を通じて広く紹介していく活動はイーハトーブ賞奨励賞にふさわしい。


宮沢賢治学会イーハトーブセンター功労賞

佐々木 孝夫 氏

宮沢賢治に関わるSPレコードの復刻録音をCD5枚に収録し、未詳だった楽曲のモデルを発掘し、ブログも活用しながら、賢治が愛好した音楽を紹介してきた活動に対して。

【選考理由】
 佐々木孝夫氏は、仙台市で2006年からジャズバーを経営しながらSPレコードを収集してきた。2018年に店は閉じたが、2017年から2019年まで、賢治に関わるSPレコードの復刻録音を収録したCD5枚72曲を制作し、「セロ弾きのゴーシュ」中の「愉快な馬車屋」のモデルとみられる楽曲も発掘した。2021年3月には賢治が作詞あるいは作曲した歌や、「ポランの広場」に登場する楽曲を地元のミュージシャンが演奏・歌唱したCDを加えた。2019年1月からブログも始め、賢治に関わる音楽情報を発信している。賢治が愛好した楽曲を発掘しながら紹介してきた活動は宮沢賢治学会イーハトーブセンター功労賞にふさわしい。