展示期間: 2022年4月2日(土)~6月27日(月)
時間: 8:30~17:00
会場: 宮沢賢治イーハトーブ館 1階展示場
監修: 大沢正善・大野眞男・岡村民夫・佐藤竜一
後援: 一般財団法人 日本エスペラント協会
宮沢賢治とエスペラント展 ~Kenji Miyazawa kaj ESPERANTO~
エスペラントとは、1887年にポーランドの眼科医ザメンホフが発表した人工国際語です。
当時のポーランドはロシアの支配下にあり、ポーランド人、ドイツ人、ロシア人などが入り乱れて住んでいて、民族間の争いが絶えませんでした。そうした現実を見て育ったザメンホフは、言語が異なるために意思疎通がうまくいかないことが、それらの不幸の要因なのではないかと考えるに至りました。そして多くの言語を学び、学びやすい言語として創り出したのが、エスペラントです。
世界の平和を願ったエスペラントの理想に共鳴して、日本でも多くの人びとがエスペラントを学びましたが、宮沢賢治もその一人でした。
今回の展示では、日本エスペラント協会の後援を得て、エスペラントの成り立ちや、日本での普及、宮沢賢治がエスペラントを独習した背景、新渡戸稲造や佐々木喜善、柳田国男、ラムステッドら、直接・間接に賢治に影響を与えた人物の紹介を行います。また、エスペラント詩稿や「ポラーノの広場」といった宮沢賢治作品の解説、エスペラント愛称がついたJR釜石線の由来などを網羅するとともに、エスペラントは今どういう普及状況にあるかまで、広範に紹介します。
会場には、二葉亭四迷『世界語』など、日本エスペラント協会から貸与していただいた関連本を展示し、YouTubeでのエスペラント紹介コーナーを設けるほか、パンフレットも用意して、エスペラントについて全く知らない人にも、楽しめるよう工夫いたしました。
また、会場では当企画展示の図録を1冊500円で販売しています。企画展における全ての展示パネルを収録したもので、全30ページです。
下記のリンクからは、当サイトのウェブフォームから、図録を注文をしていただくこともできます。
多数の皆様のご来場を、お待ちしています。
展示の細目(タイトル・執筆者)
- 宮沢賢治とエスペラント 関連年譜
- エスペラントの誕生と日本への普及(佐藤竜一)
- 田鎖綱紀と宮沢賢治(佐藤竜一)
- 佐々木喜善 ザシキワラシとエスペラント(1)(岡村民夫)
- 柳田国男 ザシキワラシとエスペラント(2)(岡村民夫)
- 「一九三一年度極東ビヂテリアン大会」と「ポラーノの広場」(岡村民夫)
- 宮沢賢治とラムステッド(大野眞男)
- 宮沢賢治の「エスペラント詩稿」(大沢正善)
- JR釜石線とエスペラント愛称(佐藤竜一)
- 宮沢賢治作品のエスペラント訳(佐藤竜一)
- エスペラントは今(佐藤竜一)
展示書籍一覧
日本エスペラント協会から貸与していただいた、下記の24冊の関連本を展示しています。
書籍名 | 著者名 | 発行所 | 刊行年 |
Международный языкъ: Предисловіе и полный учебникъ | Дръ Эсперанто | Типо-Литографія Х. Кельтера | 1887 |
Esperanto Grammar & Commentary | Goerge Cox | British Esperanto Association | 1906 |
世界語(エスペラント) | 長谷川二葉亭 | 彩雲閣 | 1906 |
世界語エスペラント | 丸山順太郎、エドワルド・ガントレット | 有楽社 | 1906 |
エスペラント全程 | 千布利雄 | 日本エスペラント学会 | 1914 |
大成エスペラント和訳辞典 | 中村精男、黒板勝美、千布利雄 | 日本エスペラント社 | 1914 |
Japana esperantisto 日本エスペラント |
なし | 日本エスペラント協会 | 1916 |
Verkaro de D-o L.L. Zamenhof: ザメンホフ全集 |
[L.L. Zamenhof] | 世界語書院 | 1916 |
Himnaro esperanta | Montagu C. Butler | British Esperanto Association | 1921 |
エスペラント作詩法講義 | 小坂狷二 | 日本エスペラント社 | 1922 |
Internacia kantaro | Paul Bennemann | Ferdinand Hirt & Sohn | 1922 |
Memlernanto de Esperanto 模範エスペラント独習 |
小坂狷二、秋田雨雀 | 叢文閣 | 1923 |
新撰エス和辞典 | なし | 日本エスペラント学会 | 1926 |
エスペラント捷径 | 小坂狷二 | 日本エスペラント学会 | 1927 |
労農エスペラント講習書 | 大田黒年男 | イスクラ閣 | 1928 |
Originala verkaro | L.L. Zamenhof | Ferdinand Hirt & Sohn | 1929 |
Internacia kantaro: muzika eldono | Paul Bennemann | Ferdinand Hirt & Sohn | 1930 |
El japana literaturo: Meizi-epoko–antaŭ la dua mondomilito (1868-1945)日本文学作品集 | 宮本正男・石黒彰彦 編 | 日本エスペラント学会 | 1965 |
La ĝemelaj steloj 双子の星:宮沢賢治作品集 |
宮沢賢治 著、柴山純一ほか 訳 | 日本エスペラント学会 | 1984 |
Gooŝ la ’ĉelisto セロ弾きのゴーシュ(宮澤賢治童話集) |
宮澤賢治 著、野島安太郎 訳 | 日本エスペラント図書刊行会 | 1991 |
Nokto de la galaksia fervojo 銀河鉄道の夜(宮澤賢治童話集) |
宮澤賢治 著、小西岳 訳 | 日本エスペラント図書刊行会 | 1994 |
エスペラント対訳宮沢賢治童話集 | 宮沢賢治 著、小西岳 訳 | 日本エスペラント図書刊行会 | 2000 |
Japana literatura juvelaro 日本文学エスペラント作品集 |
川西徹郎 編 | 日本エスペラント協会 | 2013 |
虔十公園林 | 宮沢賢治 作、末吉陽子 絵 松田周次・藤巻謙一 エスペラント翻訳 |
budori | 2014 |